お花見弁当
春の陽気に誘われて、4月2日の昼食は玄関アプローチで『お花見弁当』を食べました。
年々車椅子の入居者が増えるなか、屋外に出る機会も少なくなりましたが、一年で最も過ごしやすいこの時期、散歩や日光浴を楽しみながら四季の移り変わりを五感で感じて気分転換を図ることが大切です。日本人は古来より梅や桜を愛でる風習としての文化を育んできましたが、花見は心躍らせる季節の恵みであり、心のよりどころなのです。
弁当屋に食べたい弁当を予約して、この日のために職員の濱崎朋美さんが薩摩川内市の祖母宅までわざわざ桜の枝を採りに帰省してくださいました。そして、咲きほこる桜の枝を愛でながら、みんなで美味しいお弁当をいただき、心もお腹も満たされました。
カシワ餅作り
端午の節句に合わせて、今年も『カシワ餅』を作りました。入居者の皆さんにとっては、昔懐かしい、ふるさとの味と思いきや…鹿児島で団子をカシワの葉に包む地域は意外と少なく、サルトリイバラの葉に包んだ『かからん団子』やニッケイ(シナモン)の葉を使った『けせん団子』が主流のようです。また、団子の材料も上新粉や白玉粉を使い、生地に餡や砂糖、黒糖を混ぜたり、団子も蒸したり、茹でたり…材料や行程も様々です。
今回、ゆうゆうでは上新粉を使って電子レンジでチンして生地を作り、楕円形に薄く伸ばした生地に餡を乗せ、二つ折りにしてカシワの葉に包んで完成です。
こうして入居者の皆さんが作ったカシワ餅を茶話会の席で美味しくいただきました。
集中豪雨で緊急避難
7月14日午前、梅雨末期の集中豪雨が隼人町姫城地区一帯を襲い、ホーム周辺一帯が洪水に見舞われました。道路には茶色い濁流が流れ込み、車が立ち往生して身動きがとれない事態になりました。時間の経過とともに濁流はホームの敷地内にも流れ込み、建物に迫っていました。
午前10時、雨の勢いは衰える様子がなく、このまま降り続けば増水でホームが浸水し避難所の隼人温泉病院に通じる避難路が絶たれる恐れがあるため、入居者18名を早めに避難させることにしました。法人の緊急避難指示が発令され、隼人温泉病院リハビリテ ーション科の男性職員による避難誘導が始まり、入居者18名全員を車椅子で2階病棟へと搬送し、約20分で入居者および職員全員の避難を完了しました。幸いケガや体調不良、恐怖と不安で混乱する入居者もなく、静かに避難所で待機すること3時間。正午前には雨も上がり、避難指示が解除され、無事にホームへと帰所することができました。
地震や台風などの災害が予測されるときや発生した場合、避難・救助が必要になります。グループホーム「ゆうゆう」に入居する高齢者は自力での避難が難しく、職員や地域住民による救助や支援が必要になるほか、こうした非常時に備えた避難訓練や防災用品の準備・点検ならびに災害が発生したときの速やかな対応が重要です。
当ホームは天降川に隣接する地盤の低い隼人町姫城地区に立地しており、一帯は過去にも水害による甚大な被害を受けているほか、防災ハザードマップでも浸水危険区域になっています。こうした災害が起きやすい危険区域に居住する入居者の安心と安全を確保するために、早めの避難と日頃の備えや訓練に努めて参ります。
【防災重点項目】
○避難訓練の実施 ※避難場所と経路の確保・地域との連携
○防災用品の準備・点検
○災害予測における防災無線の活用(正確な情報収集)
○ライフラインの確保 ※水・食料・衣料品など
○ケガや病気への対応 ※医療機関との連携
職場体験学習(日当山中学校)
職場体験を通して働くことの意義や仕事に対する理解と意識を深め、職業観や職業選択の能力を養う目的で、7月12~14日に日当山中学校『職場体験学習』が行なわれました。
今年は3年生の村川ひなさんと山住奈々美さんが参加し、管理者から業務内容や社会人としての人材と資質について説明を受けたあと、炊事や洗濯、掃除などの家事援助や入居者とのコミュニケーションなどを通して認知症介護の基本について体験しました。
こうした介護の仕事を通して高齢者や認知症について理解を深め、高齢者の生活を支えることの難しさやコミュニケーションの大切さを体験したほか、冒頭の社会人として働くことの意義や仕事に対する理解と意識を深めたことでしょう。
そうめん流し
夏の定番『そうめん流し』を昼食でいただきました! スタッフが用意したそうめん流し機2台の水槽に水と氷を入れて流水ポンプの電源スイッチON!そこへそうめんを投入してクルクル回り始めると「そうめんが回って目も回るわ」「そうめんが気持ちよさそうに泳いでる」と感激しながら箸ですくって麺つゆに浸し、チュルチュルと一気に口の中へ。
「夏はそうめんが一番!」「風情があって涼しい気分」「そうめんは大好きだからいっぱい食べられる」と好評でした。これなら食欲がない時でも楽しみながら食べられますね。
【編集後記】
熊本地震から3ヵ月…命は助かっても避難所生活の長期化で心身にストレスが重くのしかかる。災害弱者の子供や高齢者、特に環境変化に順応しにくい認知症高齢者は不安と混乱に陥りやすく、症状の悪化による周囲とのトラブルが心配される。避難所が批難所にならないために、周囲の理解と支援が欠かせない。