平成27年7月1日 発信

老年看護学実習(仁心看護専門学校)と職場体験学習(日当山中学校)

  5月18・19日/21・22日に仁心看護専門学校の学生10名が当ホームで『老年看護学実習』を行いました。また、19~21日は日当山中学校生徒2名が『職場体験学習』を行ない、まるで入居者の皆さんに孫が12人も増えたみたいで、いつになく賑やかな雰囲気でした。
 『老年看護学実習』は、高齢者の心身・社会的変化に関する理解を深め、老年期に発症しやすい健康障害や機能障害とそれらに対する基本的な支援技術を習得するのが目的で特に認知症が心身や生活に与える影響とコミュニケーション技術について学んでいただきました。一方、『職場体験学習』は、職場体験を通して働くことの意義や仕事に対する理解と意識を深め、職業観や職業選択の能力を養う目的で体験していただきました。
 管理者によるオリエンテーションを受けたあと、調理や炊事、洗濯や掃除などの家事援助、入居者との会話やレクリエーションを通して交流していただきましたが、時間の経過とともに話したことを忘れたり、同じ話を繰り返したり、昔の自分に戻ったり…認知症を身近に感じながら悪戦苦闘していました。
 今回の実習と体験を通して高齢者や認知症について理解を深め、高齢者の生活を支えることの重要性やコミュニケーションの大切さを体験したほか、今後、看護師として働くことの意義や仕事に対する理解と認識を深めたことでしょう。


 平成18年の介護保険改正で地域密着型サービス事業に類型化されたグループホームは2ヵ月に1回(年6回)の『運営推進会議』を開催することが義務付けられました。
 グループホームの職員、利用者とその家族の当事者だけでなく、近隣住民や自治会、老人クラブ、民生委員、市町村や地域包括支援センターの職員など、地域の関係者が集う交流の場として、グループホームの活動紹介や認知症の理解を深めてもらうための勉強会、地域とそこに暮らす高齢者が抱える問題や課題など、様々なテーマについて話し合い、【1】情報提供 【2】教育研修 【3】地域連携 【4】社会資源活用 【5】評価の5つの機能を実践しながら地域とつながり、認知症高齢者が住み慣れた地域で安心安全に暮らせる町づくりを目指します。
  具体的には、認知症を理解してもらうために当事者や関係者だけでなく、地域の方々の理解が必要で、認知症高齢者が地域社会から隔離されたり、差別されることなく、これまでの関係性を保ちながら、これからも関係性を継続していくための環境整備が重要です。そのためには、認知症高齢者の家族や友人、グループホーム職員などの当事者だけでなく、地域住民をはじめとする自治会関係者や行政機関と連携しながら問題や課題について話し合い、認知症高齢者が地域で最期まで暮らし続けられる社会づくりが大切であり、その役割を果たすのが『運営推進会議』です。
『運営推進会議』は、認知症高齢者の生活を支えるための「地域づくり作戦会議」であり事業所・職員と地域が手を取り合って共に成長できる場でもあるのです。

地域のなかにあるグループホームとは…(地域密着型サービスとは…)

1.利用者の人生観や価値観、生活スタイルの尊重(暮らしの継続)
2.利用者とスタッフは共に地域で暮らす住人(共生)
3.家庭的な雰囲気と安心安全な暮らし(環境整備)
4.自主的に役割と生きがいをもつ(自立と自信)
5.住み慣れた地域で人とつながる(地域社会の一員)

運営推進会議に期待される役割と機能

1.認知症(ケア)の理解

  • 認知症高齢者と一緒に過ごす(ふれあう)
  • 認知症やグループホームの理解者・応援者が増える

2.暮らしの質の向上

  • 地域で暮らしやすくなる
  • 地域住民と交流しやすくなる
  • 緊急時の安心と安全の確保(防災訓練・AED講習会など)
  • 社会資源の活用(ボランティアなど)

3.相談援助

  • 地域や家族の困り事、相談事に関わる(専門職としてのアドバイスや支援)

4.地域づくり

  • 高齢者や福祉への感心が高まる
  • 新しい地域資源(社会資源)の開発
  • 自治会入会に伴う活動を通した関係強化と回覧板を活用した情報発信

5.行政・関係機関との連携

  • 各種制度や社会資源、地域情報の活用
  • 相互理解による連携・協力・支援体制の強化

6.スタッフのスキルアップ

  • 地域力の大切さや環境整備の重要性を知る
  • グループホームが地域の拠点として果たす役割(社会的意義)を学び、実践する意識が芽生える

7.開かれたグループホーム(運営の透明性)

  • 運営に関する情報開示
  • 地域住民の理解とニーズへの対応

運営推進会議のテーマ(議題) ※これまでに開催した議題例

  • 防災訓練とAED講習会
  • 認知症高齢者が地域社会でできること
  • 入居者の自己決定と希望表出への支援
  • 行楽シーズン…どこ行きましょうか?

平成27年度 運営推進会議

 平成27年度『第1回 運営推進会議』を4月17日に開催しました。本会議を通して「ゆうゆう」の運営や活動のあり方、サービス提供の質の向上、地域住民との連携など、様々な問題や課題を議題に取り上げ、各委員から率直なご意見やご要望、助言をいただきながら地域に密着した“開かれたグループホーム”を目指し、健全な運営に努めて参ります。
 今年度、新七自治会長に就任した赤沢正治さんが新任され、前会長の中仮屋良一さんは老人クラブ会長として、引き続き出席していただくことになりました。
 委員の皆さん、一年間よろしくお願い致します。
 【平成27年度 運営推進委員】
※順不同敬称略
中仮屋良一 (新七老人クラブ:会長)
赤澤 正治 (新七自治会:会長)
福丸 育美(新七地区民生委員)
梶原フミ子 (新七自治会:住民代表)
加世田由紀子 (利用者代表)※家族代表
萩原 幸子 (グループホーム とうりんじハウス)
霧島市地域包括支援センター(隼人北支所)
霧島市役所(長寿・障害福祉課)※隔月出席
霧島市役所(隼人市民福祉課)
村岡 宏章(管理者/議長)
脇  恵 理(計画作成担当者/副議長)
松田 紀子(管理事務/書記)

【編集後記】
 いま話題の○○遺産…観光資源として登録を目指す一方で、厄介な遺産も増えている。過疎化と人口減少で「空き家」や「お墓」の管理が社会問題になっている、いわゆる“負の遺産”をどう解消すべきか?こうした身近な世間遺産を社会資源として活用する方法はないものか?地域のみんなで知恵を出し合いたい。

 運営推進会議を開催して9年目を迎え、年6回、延べ50回を数える。どこの事業所もマンネリ化で議題に頭を悩ませ、ネタ切れ状態に陥り、活動報告で終わる事業所も少なくない。地域密着の意味や役割、目的を理解しないと会議の本質は見えないし、単なる井戸端会議に終わってしまう。この特集を機に原点に戻りたい!

柏もち作り

 端午の節句に合わせて、例年入居者の皆さんと「ちまき(あくまき)」を作りますが、今年は『柏もち』に挑戦しました!
 【材料】8個分/あんこ(200g) 上新粉(200g) 水(280cc) カシワの葉(8枚)
1.餡を8等分にして丸める
2.ボウルに上新粉と水を合わせてかき混ぜ、ラップをかけて電子レンジで4分間加熱
3.更にかき混ぜ、電子レンジで3分間加熱
4.ボウルから取り出し、濡れ布巾に包んで滑らかになるまで折りたたむようにこねて生地の出来上がり
5.手に水を付けながら小判形に薄く生地を伸ばして餡を乗せ、二つ折りにしてカシワの葉で包んで完成

 入居者の皆さんには【5】の行程から手伝っていただきましたが、伸ばした生地に餡を付けながら食べてしまう食いしん坊もいました(笑)
 材料が少なく、電子レンジを使って簡単にできるので、皆さんもぜひお試しください。

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