平成20年8月1日 発信

先生

「先生」「せんせーい!」と呼ぶ声がホームに響きます。そうなんです!ゆうゆうの入 居者は職員のことを皆「先生」と呼びます。「先生」とは一般的に教師や医師、弁護士、 代議士などの聖職あるいは公職の社会的地位にある偉い人をイメージしますが、なぜ か私たちゆうゆうの職員も「先生」なのです!読んで字の如く、入居者より先に生まれ たわけではないし、社会的地位にあるわけでもないのですが、「先生」と呼ぶ理由につ いて入居者に直接尋ねたわけではないけれど、要するに入居者は、職員一人ひとりの 名前を覚えられないことや自分たちの生活を支えてくれる職員に敬意を表す意味で使 っているように思うのです。これに対して職員も「ハーイ」と返事して自然に受け入れ ているから不思議ですが、「先生」の呼び名を介して両者の信頼関係が保たれているの は確かです。
 ところが今、この「先生」がある重大な問題に直面し、一触即発の不穏な事態に発展 しています。それは、緑内障が原因で失明した入居者Aさんが、朝から晩まで「先生」 を連呼するため、周りの入居者そして職員までもがストレスでイライラする毎日を送 っているからです。確かにAさんの目が見えなくなった不安と恐怖心は十分理解でき ますし、目が見えなくなったことをすぐに忘れるので、目を開けるたびに「先生!目 が見えなくなりました!!どうすればいいの…!?」と助けを求めるのも無理もないこと です。
 私たちが光を失ったAさんの手足になって、少しでも不自由な思いをさせないよう に支援するのは当然のことですが、反面「せんせーい」の叫び声を毎日聞かされる入居者 の気持ちにも配慮しなければなりません。
こんな時、どちらを優先すべきか?その判断と対応に苦悩する日々が続いています。 目が見えないから、認知症ですぐ忘れるから仕方がない…とは云っても、 我慢にも限界があることも忘れてはならないのです。
私たちはこの状況にどう対処すべきか?いま「先生」としての真価が問われています。

ゆうゆう菜園

 いま、ゆうゆう菜園ではトマト・キュウリ・ナス・ピーマンが大きく育って、ちょ っとした賑わいを見せています。元々は花壇として使っていた場所に「花より野菜の 方が食べる楽しみがあっていいよネ!」と始めたのがきっかけです。また、職員に野 菜づくりが趣味だったり、農家出身だったりと“野菜づくりの達人”が揃っていたこ ともあって、本格的な土づくりから始めたことが豊作につながったのかもしれません。 入居者も日々成長する野菜に目を細めながら、職員と一緒に収穫する喜びをかみしめ てもぎたての野菜を調理する手つきもいつになく軽快です。
 早速、食卓に並んだ料理に舌鼓を打って、自然の恵みと野菜づくりの達人に感謝し つつ、美味しくいただきました。…ごちそうさまでした (^大^)

ベッドセンサー

 在宅・病院・施設を問わず、高齢者の転落・転倒事故があとを絶ちません。グルー プホームの場合は入居者の生活支援が主体なので、活動性の高い健常者が多い反面、 認知症による危険認識に乏しく、必然的に事故の発生率が高くなります。
生活を支援する過程で発生する事故を完全に防止することはできませんが、安全対策 を講じることは可能であり、とても重要なことです。
 この度、「ゆうゆう」ではベッドや車椅子からの転落・転倒事故を防止する『ベッド センサー』を導入しました。このセンサーは、背中や座面に設置してベッドから起き 上がったり、車椅子から立ち上がる際の体重減圧によって感知して警報(ブザー)で知 らせる装置で、徘徊や立ち上がる(歩きだす)前に駆けつけることができます。
また、ホームに設置してあるナースコールに接続可能で、目が届かない居室のナース コールに接続することで場所を容易に特定できるため、速やかな対応が可能になるほ か、ワイヤレス方式(無線式)に比べて設置に係る経費や誤報が少ないなどのメリット があります。
 こうしたセンサーの出番がないに越したことはありませんが、職員がセンサーに頼 り過ぎたり、慣れてしまって危機管理意識が低下して対応がおろそかになったのでは 意味がありません。あくまでも事故防止のひとつの手段に過ぎないことを念頭に置い て安全管理に努めます。

ペーパータオルの設置

 外出先で公衆トイレを利用すると手洗い後の濡れた手を拭き取るペーパータオルや 温風で乾かす手指乾燥機を設置したトイレが増えてきました。自宅で家族が使用する のと違い、不特定多数の人が利用する公衆トイレでは必要不可欠な設備です。
 ホームのトイレでは、これまでタオルを設置して一日数回交換を行っていましたが、 共同生活の場としての公衆衛生や感染予防対策の観点から、各トイレにペーパータオ ルを設置しました。
 今後もこうした感染予防対策に積極的に取り組み、衛生管理に努めて参ります。

【編集後記】
 入院していた入居者が亡くなり、葬儀に参列した。葬斎場が当たり前の昨今、自宅 葬がしめやかに執り行われ、近所の住民が炊き出しに駆けつけたり田植えの合間に焼 香に訪れる様子から故人の人柄が偲ばれた。家族や住民に見送られて旅立った故人も きっと天国で喜んでいるに違いない…合掌

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