平成20年2月10日 発信

行列のできる事務所

 あるテレビ番組のタイトルではないけれど、「ゆうゆう」には入居者の悩み相談を受 け付ける『行列のできる相談事務所』があります。行列…というとちょっと大げさで すが、入居者が入れ替わり立ち代り途切れる間もなく相談に訪れ、まるで行列ができ るほどの賑わいだからです。
実はここを訪れる入居者は二人だけで、その相談とは「私はいつ帰れるの?」「息子の 家に帰らんといかんから車で送ってちょうだい!」「お金を盗られたぁ!」「目が見えな いからお薬をください!」といった内容です。 相談に乗るのは弁護士ならぬ管理者と 管理事務の男性職員2名で、事務所に机を並べて待機しています。本来はパソコンや 電卓のキーを弾いたり、書類を作成したりして運営に関する業務を行っているのです が、いつの頃からでしょうか?入居者が出入りするようになり、気が付いたら相談事 務所になっていました。
 朝8時の開店と同時に二人は訪れ、夕方5時の閉店間際になると出入りが激しさを 増して混雑することもしばしばで、狭い事務所は“満員御礼”の状態です。職員が不 在の時は、帰って来るまで事務所の前でひたすら待っています。他の職員が対応する と「男の先生はいないの?男の先生じゃないと…」と全く相手にしません。二人にとっ て男性(職員)は頼りになる存在らしく、特に管理者に対してはホームの責任者で一番 偉い人だから、この人に相談すれば必ず何とかしてくれると思い込んでいるようです。 そんな頼りにされている男性職員は懇切丁寧に対応するものの、相談したことをすぐ に忘れる二人は5分も経たないうちにまた相談に来ます。これを何度も何度も繰り返 すのです。男性職員は認知症だから仕方がないと分かってはいても、こう何度も相談 に来られると業務に集中できなくなってイライラしたり、感情的になって素っ気ない 対応になることもあります。しかし、二人は心配事や不安を一刻も早く解決してもら いたい一心で事務所に足を運ぶわけで、職員の業務だろうが何だろうが関係ないので す。よくよく考えると、こうした相談に耳を傾け、安心感を与えることこそが私たち 本来の仕事であり、優先すべきことなのかもしれません。あとは忍耐あるのみ!です。  …行列のできる相談事務所は、今日も満員御礼です。

ふれあい運動会

  新七自治会の『ふれあい運動会』が11月11日(日)に開催され、ゆうゆうが初めて参 加しました。子供からお年寄りまで、多くの住民の皆さんが運動会を盛り上げ、地元 ならではのほのぼのとした和やかな雰囲気は、まさに『ふれあい運動会』にふさわし く、親しみやすさと連帯感を肌で感じました。
篠原会長をはじめ、役員の皆さんのご配慮で、入居者そして職員もパン食い競争や綱 引き競技に出場させていただき、それぞれに参加賞をたくさん頂きました。
昼食は、ゆうゆうで獲れた新米のおにぎりと職員手作りの煮しめに舌鼓を打ちながら 赤組(1・2班)の皆さんと一緒に食べました。
 こうして、新七自治会の皆さんの暖かいご声援をいただきながら触れ合えたことに 心から感謝します。ありがとうございましたm(_ _)m

畳部屋

 日本人にとって畳(たたみ)は、日本の風土から生まれた伝統的な床材です。イグサ の香る青畳の上に座ったり、寝転んだり、また、座布団や炬燵(こたつ)囲炉裏(いろ り)との組み合わせで、癒しや憩いの空間が生まれ、私たちは身近に親しんできまし た。「ゆうゆう」の居室にも畳部屋が4室用意してありますが、今回、その全てをフロ ーリングに改装しました。えっ!なぜ?…と思われるでしょうが、一言でいえば、高 齢者にとっては使い勝手が悪いからです。畳の良さは分かっていても、高齢になると 足腰が弱くなり、座ったり立ったり、寝たり起きたりの動作が思うようにできなくな り、必然的にベッドや椅子での生活スタイル、いわゆる洋式になってしまうからです。 トイレも同様に和式より洋式が膝や腰への負担も少なく、使いやすいのです。
 こうして畳部屋はフローリングに生まれ変わり、入居者は毎日快適な生活を送って いますが、ホームから全ての畳がなくなったわけではありません。談話室や玄関前に 畳敷きの台座を設けて、憩いの場として活用しています。“日本の伝統”は、お年寄 りに優しい形で活かされているのです。

【編集後記】
 ある認知症セミナーで、ホームに入居するおばあさんが職員に「あんたはこんな年寄りと遊んでていいの?」と言ったそうです。それは職員への感謝の気持ちであり、 最高の『褒め言葉』でした。
 入居者に威圧感や寂しさ、忙しさを感じさせない気遣いこそが、私たちが目指す介護だと思いました。

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