平成20年12月1日 発信

食堂

 皆さんが家庭でくつろぐ場所はどこですか?ゆうゆうの入居者が一番くつろぐ場所 は食堂です。ゆうゆうの食堂は食事をするだけでなく、お茶を飲みながらテレビを観 たり、会話を楽しんだり、レクリエーションに興じたりするリビングとしての機能も 兼ね備えた生活空間で、職員も交えてみんなが集う「憩いの場」であり、生活の中心な のです。よほど居心地が好いとみえて、トイレやお風呂、就寝以外は一日中食堂で過 ごす入居者もいます。その食堂は全席指定で、入居者の席が決まっています。自分の 席がわからない入居者は空いている席に座るので、席の主が「あなたの席はあっち!」 と教えてあげながらも、そこが自分の席であることをさりげなく主張したり、時には 「あの人が邪魔でテレビが見えない!」「隣が私のご飯を食べる!」「声が大きくてうるさ い!」などの不満を口にする入居者もいて、口論や喧嘩に発展したり、阻害されて孤立 することもあります。
 こうした座席をめぐるトラブルは、性格や認知症の程度、日頃の人間関係が大きく 影響しているようで、テーブルを挟んで自己主張による攻防戦が繰り広げられます。 考えてみれば、性格や育った環境、考え方の違う他人同士が同じ屋根の下で一緒に暮 らすわけですから、毎日顔を突き合わせていれば気に入らないことやわがままを言い たくなるのも当然かもしれません。もちろん、口論や喧嘩がエスカレートして何度も トラブルを繰り返す状況になると職員が仲裁に入るのですが、それでも解決しない場 合は『席替え』に踏み切ります。まるで小学校の席替えみたいですが、小学生みたい に素直に応じる相手ではありません!頑固として応じない人や全く無視する人もいて、 円満に解決することはありませんし、いつまで経っても同じことの繰り返しです。
結局は自己主張ができない、おとなしい性格の入居者が犠牲になることが多く、私た ち職員は個性を尊重しながらも平等を貫かなければならない立場にありながら、認知 症の程度や性格による力関係に屈して容認してしまい、弱い立場の入居者を守ってあ げられない不甲斐なさに情けなくなります。
『席替え』は単にトラブルの回避、あるいは事態を収拾するための一時的な手段に過 ぎず、直接的な解決には繋がらないことを教えてくれました。大切なことはトラブル になった原因や自己主張の裏側に隠された本音(本心)を探り、入居者が抱える悩みや 不安、苦痛をしっかり受け止めて理解しようとする姿勢と入居者同士が助け合い、励 まし合って、お互いを尊重し、協調し合える関係づくりを支援してこそ、共同生活が 成り立つのだと思うのです。
 グループホームという9人の共同生活のなかで、食堂が入居者にとってこれからも 安心してくつろげる憩いの場所であり続け、十人十色ならぬ九人九色の個性が色あせ ることなく生き生きと発揮できることを願わずにはいられません。

こども神輿

 8月17日は姫城地区子供会の『子供神輿』が日当山温泉街を練り歩き、祭ばやしに 合わせて「わっしょい!わっしょい!」のかけ声が響き渡りました。
 今年のゆうゆう慰問は、神輿や踊り連の子供たちと引率の父兄・役員が敷地内に入 りきれないほどの混雑で、踊るスペースがないくらいの人数に入居者、そして職員は 圧倒されましたが、その熱気と歓声で祭り気分を盛り上げていただき、子供たちから 元気をもらいましたo(^-^)o
 猛暑の中、姫城地区子供会と関係者の皆さん、ありがとうございましたm(_ _)m

イチジク

 ゆうゆうが開設した時に植えたイチジクが、毎年たくさんの実を付けます。今年は 例年になく豊作で、8月頃から卵サイズの実が次々に実って、完熟した実を収穫して デザートとして食べています。ほかの果物に比べて甘みが少なく淡白な味で、お世辞 にも美味しいとはいえませんが、入居者のみなさんにとっては昔なつかしい味が好評 です。
 イチジクの名前の由来は、ひと月で果実が熟す、あるいは一日一個ずつ熟すことか ら「一熟」が転じて「いちじく」になったとか!? 漢字で「無花果」と書き、花が咲かずに 実をつけることから付いたそうですが、実際は外から見えないだけで、実の中に小さ な花をつけます。実を割ると中に淡いピンク色のつぶつぶがたくさん詰まっています が、これが花なのだそうです。
こうした名前の由来や形態について調べてみると、何とも不思議な果物ですね。ちな みに実の形から「いちじく浣腸」を連想しますが、実際に実に含まれるペクチンや食物 繊維が便秘に効果があるそうですよ(^-^)b

研修会(10月18日)

 ゆうゆう教育研修委員会では、特別養護老人ホーム鹿屋長寿園の林田貴久さん(副 施設長)をお招きして『認知症ケアの基本的視点』と題して研修会を開催しました。
 この研修を通して、認知症高齢者の行動障害(問題行動)を職員の視点で問題視して レッテルを貼ったり、対応が慣習化していないか?など、職員の日常業務を検証しな がら利用者への対応が適切なのかを自身で振り返り、認知症の理解と意識改革による 自己研鑽を目的に企画しました。なお、出席した職員へのアンケートから様々な反響 が寄せられましたので、抜粋してご紹介します。
 ○相手の立場や理解に心がけていたつもりが、自分の考えや価値観を押し付けてい   たことに気付いた。
 ○認知症の人は、今まで出来ていたことが出来なくなると思い込んでいた。
 ○出来ることを発見したり、気持ちが伝わった時の感動を忘れないようにしたい。
 ○認知症を固定観念や先入観(思い込み)で対応していた。目からウロコでした。
 ○認知症の人を自分の目線と尺度で問題視していた。
 ○業界用語的な記録や言葉の表現の仕方(使い方)にハッと気付かされた。
 ○認知症による問題や課題ばかりを探して、それを直そうとしていた。
 ○介護に手間がかかる人とそうでない人を分けて対応していた。
 ○認知症だから言っても解らない(忘れる)と決めつけたり、関わろう(向き合おう)
  としなかった自分に気付いた。

防火訓練(10月24日)

 暖をとる機会も増え、空気が乾燥して火災が発生しやすい季節になりましたが、当 ホームでは隼人温泉病院と合同で消防署立会いによる防火訓練を実施しました。
 警報が鳴り響くなか、初期消火・緊急通報・避難誘導のあと、消火栓と消火器によ る消火訓練を行いましたが、入居者18人の生活と生命を預かる事業所として、火災に よる犠牲者を出さないように、これからも防火管理ならびに避難訓練に努めます。

秋のバスハイク(10月16日)

 雲ひとつない澄みきった秋晴れのもと、桜島へバスハイクに出かけました。桜島は 鹿児島のシンボル的存在で、錦江湾(鹿児島湾)に浮かぶその雄大な姿は私たちの日常 生活には見慣れた風景の一部ですが、「桜島は小学校の遠足で行ったきり」とか「一度 も行ったことがない」という入居者・職員が多いのには驚きました。
そんなわけで、「それじゃ~みんなで行ってみよう!」ということになりました。
 入居者・家族、職員の総勢28人がクルマ5台に分乗し、一時間半かけて桜島を目指 しました。途中、たるみず道の駅でトイレ休憩をしたり、ミカンを買い求めたりしな がら磯香る大隅路をのんびりとドライブです。
 桜島の標高373mにある湯之平展望所に到着した一行は、早速2階の展望デッキに上 がり、眼下に広がる錦江湾と鹿児島市街地や吉野台地、開聞岳・霧島連山を遠望しな がらお弁当を広げました。そして、目の前に迫る荒々しい溶岩の山肌をバックに全員 で記念撮影をして帰路に着きました。

マイショット

 「名月をとってくれろと泣く子(猫)かな」…ご覧ください!まるでネコが絵から飛び 出したようなユーモアのある不思議な写真でしょ。
この写真に見覚えはありませんか? 9月18日の南日本新聞(朝刊):マイショットに 『猫のお月見』の題名で掲載され、主役のチャチャも「うれしいニャン」と申しており ます…多分!?
背景の絵の作者でもある中深迫さん(1号館)が、絵と同じセットを組んで、チャチャ の協力で?撮影した迷作(名作)です。
 中深迫さんは、このほかにも季節に合わせて色紙や身近な材料を使った切り絵や貼り絵を入居者に指導する作 業療法の達人で、保育士を目指しただけあって、その才能がここ「ゆうゆう」で開花しました。 中深迫さん!次は入居者と制作した貼り絵の作品展を開催しましょうよ!!
※作品は1号館に展示してありますので、お立ち寄りの際はご覧ください(^o^)/

【編集後記】
 忘年会の季節がやって来た!賑やかに語り合いながら、飲んで歌って楽しい宴なのだが…アルコールが飲めない者にとっては大変だ!会計を済ませて酔っ払いの介抱から送迎まで一手に引き受ける、いわば『宴会の裏方』が待っている。そんな実績が買われて?今年も出番が増えそうだ!

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