男はつらいよ!
「ゆうゆう」から男性入居者がいなくなりました!…と云っても一年前の話ですが、いまだに男性ゼロの状況が続いています。多い時は3人が暮らした時期もありましたが、男性不在がこれほど長期化するとは思ってもみませんでした。
平成13年の開設以来、「ゆうゆう」を利用された方は、在居者も含めて55人にのぼりますが、このうち、男性はわずか11人(全体の20%)に過ぎません。入居期間(在居日数)も女性は最長2344日(6年5ヵ月 ※現在も入居中)、最短13日に対し、男性は最長513日(2年5ヵ月)、最短1日でした。これらのデータからは男性入居者が少なく、入居期間も短いことがわかります。その理由は…答えは簡単です。まず、男性の寿命が女性より短い(生存率が低い)ので、必然的に入居者が少なく、入居期間が短いのです。これはグループホームに限らず、ほかの高齢者福祉施設でも同様の傾向にあり、男性が占める割合は1~2割程度です。そして、最大の理由は、男性が施設の環境に馴染めず、会話や交流も少なく、孤立する傾向にあるため、生活基盤が安定しにくいのです。グループホームのように共同生活を営みながら家事や身の回りのことをある程度自分でしなければならない生活型の環境では、男性のほとんどが趣味や生きがい、生活目標もなく、何もできずに毎日をボーッとして過ごすことになります。
元来、男は『働く戦士』として、人生の大半を仕事に生きてきたことを考えると、高齢になってから家事や身の回りのことをしなさい!と言われても無理な話で、家族の支援を受けながら自宅で暮らすならまだしも、グループホームで他人と共同生活を営むのは大変なことなのです。男は所詮“社会人”にはなれても“家庭人”にはなれない性(さが)かもしれません。
さて、「ゆうゆう」の女性入居者は、この一年余りの女所帯の生活にすっかり慣れてしまった様子で、口を揃えて「男はもういらん!」と言い出す始末。こうもあっさり男を拒否されると、これから先、男性を受け入れられるか心配ですが、本来、男性入居者は必要だと思います。何故なら、いくら高齢で認知症になっても本能的に異性を意識するもので、自然と身だしなみや話し方などに気を遣うようになり、そこに適度の刺激や緊張感が生まれることが大切で、ホームの雰囲気もガラッと変わります。
ただし、夫以外の男性に恐怖心を抱いたり、部屋に閉じこもって拒絶する女性入居者もいるので、いずれにせよ、男性の入居は慎重に対応しなければなりません。
これを読んで老後に不安を感じたり、自信をなくした男性諸氏、特に団塊世代のみなさん!明日はわが身…かもしれませんよ。老後の蓄えも大事ですが、心の準備もお忘れなく!では、最後に男を代表して一言…「男はつらいよ!」
稲刈り
今年もゆうゆう田んぼの稲が黄金色に色づき、10月22日に入居者全員で稲刈りをしました。発泡スチロール製の箱で育てた稲を一株ずつ丁寧に鎌で刈り取り、それから十日ほど天日干しにしたあと、モミを一粒ずつ手作業で落として精米し、1升6合の新米が獲れました。収穫量は予想より少なかったものの、自分たちで収穫したお米だけに、きっと美味しい新米が食卓に上ることでしょう。
バスハイク(かごしま水族館)
10月23日(火)、秋のバスハイクは『かごしま水族館』(鹿児島市)に出かけました。バスハイクの行き先といえば、入居者の車酔いや疲労を考慮して、せいぜい片道30分以内で行ける場所に限られていましたが、今回は水族館めぐりが大好きだったという入居者Bさん(97歳)の希望を叶えようと水族館見学を計画しました。家族参加も含めて総勢36名が車7台に分乗し、片道30km、約1時間の行程です。
途中で数人が車酔いしましたが、とりあえず無事に昼食場所のドルフィンポートに到着し、天丼やうどん、にぎり寿司などを注文して、みんなで美味しく頂きました。
昼食のあとはいよいよ水族館へと移動し、館内に入ると目の前に広がる黒潮大水槽を悠々と泳ぐジンベイザメの「ゆうゆう」に圧倒され、イルカショーの巧みな演技に感激したり、海の生き物たちを興味深く見学しました。もちろん!Bさんをはじめ全員が感動したのは言うまでもありません。「きれいだった」「すごかった」「おいしそう!?」「水族館に来れてよかった。ありがとう」と移動の疲れも忘れて満足していただけたようです。
温泉の水質検査
日当山温泉街の一角にある「ゆうゆう」は、温泉が利用できます。入居者の皆さんが安心して温泉を利用していただけるように、事業所には年1回以上の水質検査が義務付けられており、10月25日に水質検査を実施しました。
検査を依頼した静環検査センターの職員が訪問して、1・2号館それぞれの浴槽水からサンプルを採取していただきました。
検査の結果、大腸菌やレジオネラ属菌は検出されず、異常なし。これで安心して温泉を利用できますし、これからの寒い季節、温泉で身体の芯まで温まって下さい。
干し柿
柿食へば鐘がなるなり法隆寺…秋の果物といえば、やっぱり柿でしょう!晩秋も過ぎて柿の時期はとっくに終わりましたが、干し柿を忘れてはいけません!
正月に食べる干し柿はまた格別で、昔はどこの家庭でも軒先に干し柿を吊るしていたもので、干し大根とともに冬の風物詩にもなっていましたが、最近はその光景を見ることも少なくなり、寂しい限りです。
そんなわけで、「ゆうゆう」の入居者が“昔とった杵柄”を発揮して、干し柿づくりを披露してくれました。渋柿の皮を一個ずつ丁寧に剥き、ヘタに紐を結んで物干し竿にかけると、朱色の“のれん”が出来上がりです。あとは寒風にさらして乾燥、熟成させると甘~くなるから不思議です。は~や~くぅ来い来いお正月♪
【編集後記】
食の安全が問題になっている昨今、生産・販売者に対する消費者の不信感が表面化している。安心と安全はお互いの信頼関係が基本で、食品に限らず医療や福祉も同じである。 「当たり前の積み重ねが特別になる」の一言に尽きる。