老年看護学実習(加治木看護専門学校)
9月16~19日に加治木看護専門学校(姶良市)の生徒10名が当ホームで『老年看護学実習 』 を行ない、認知症の理解と高齢者の生活援助技術などについて学びました。
老年看護学は、主に老年期疾患について、高齢者の心身・社会経済的な変化に関する理解を深め、老年期に発症しやすい健康障害や機能障害とそれらに対する基本的な支援技術を習得するほか、老年看護学の背景となる高齢化社会における保健・医療・福祉の現状と動向を知り,医療チームの一員として多角的な視野で看護を提供するための基本姿勢を養うのが目的です。高齢者は、多様な人生経験と価値観をもった個別性の高い世代の集まりで、人生の最終段階として誰もが人生の完成を目指し、死をもって完結する時期であることを意味します。少子化や核家族化が進む現代社会の動向を受けて、高齢者と触れ合う機会が少ない学生の増加は、高齢者に対して衰退・隠居・病弱といったマイナスのイメージを持つ傾向にあるので、実習では、高齢者は人間として円熟・完成し尊重される存在という側面と加齢によって種々の機能が低下し、心身ともに衰えていく過程にある側面を併せ持つ存在であることを教え、肯定的・積極的・活動的な視点からの「老年観」の育成を目指す必要があります。具体的には「その人らしさ」やQOL(生活の質)を尊重し、人生の最期まで人間の尊厳を保ちながら、自立した生活を送れるように対象者とその家族を支援するという生活志向を理解することが重要です。ここでいう生活志向の看護とは、高齢者が老化や疾病・障害を抱え、それがたとえ不可逆的な変化だとしても、残存機能を最大限に活かしながら、その人らしい生活を支えるという考えに基づくものです。しかし、高齢者の生活は個人では成り立たない場合が多く、身体の衰えに伴い、周囲への依存度が増していく高齢者には、家庭や地域社会で生活できる環境を整えることも必要です。また、高齢者に対してできる限り健やかで快適に自立した日常生活が維持できるよう、疾病の予防的側面からも適切な援助を行なわなければなりません。高齢者のその人らしい生活を支えるためには、高齢者を取り巻く環境や様々な老化の段階にある多様な生活歴と価値観をもった対象であることを理解した上で、対象の個別性と自尊心に配慮した看護を実践できる能力を育んでくれることを願っています。
お好み焼き
9月9日の昼食は『お好み焼き』をいただきました。作ってくださったのは荒瀬八百子さん(1号館職員)と横山明子さん(荒瀬さんの姉:神戸市在住)です。 帰省中の横山さんが「入居者の皆さんに本場(関西風)のお好み焼きを食べていただき元気に過ごしてもらいたい」と、山芋と小麦粉の配合にこだわった生地と牛スジ肉やベーコンをトッピングした特製の『お好み焼き』を入居者と職員に振舞ってくださいました。
敬老の日
『敬老の日』を前に、9月12日は当法人が運営する託児所「くれよん」の幼児5名と保育士4名がハッピ姿で神輿を担いでホームを慰問。一生懸命に練習した歌や踊りを披露してくれましたが、本番に緊張して?「おはら節」の踊りがなかなか揃わずに入居者一同大爆笑!一気に和やかな雰囲気になって、入居者一人ひとりと握手したり、記念写真を撮って楽しい世代間交流ができました。託児所「くれよん」からの“おもてなし”に感謝 !また、この日は当法人から入居者の皆さんに日用品として使っていただけるバスタオルを記念品として贈呈しました。入居者の皆さんは「肌触りがいいねぇ」「大事に使います」と喜んでいただきました。入居者の皆さん…これからも元気で健やかにお過ごし下さい。
※入居者の平均年齢:1号館(90歳)/2号館(87歳) 最高齢者:奥ハルヱ様(101歳)
去る11月3日、霧島市隼人町富隈地区で認知症高齢者見守りネットワーク協議会主催の徘徊模擬訓練『どけ行ったろ徊(かい)?』が開催され、当ホームから松田紀子(管理事務)、村岡宏章(管理者)が取材を兼ねた写真記録係で参加しました。
徘徊模擬訓練とは、道に迷って自宅に帰れずに困っている認知症高齢者の発見、声かけ、保護などの体験を通して、それぞれの役割を理解しながら認知症高齢者への接し方を学び、警察や消防、家族に通報・連絡して事故を未然に防ぐことを目的に、地域全体で見守る体制づくり(徘徊SOSネットワーク)と地域住民一人ひとりが認知症に関心をもっていただき、適切な対応と連携を図るための訓練です。認知症高齢者に扮した高齢者福祉施設や地域包括支援センターの職員4名が予め設定した認知症状で徘徊し、参加者が「何かお困りですか?」「どこに行かれますか?」「お名前は?」「家はどこですか?」などの声をかけましたが、声をかけた内容と違った返事に困惑する参加者や問いかけに戸惑う徘徊者など、お互いに焦って悪戦苦闘する場面が見受けられました。
訓練はあくまで認知症の人の言動や特徴から対応法を学び、行方不明になった場合の早期発見と保護を目的とする捜索前の基本的な声かけ訓練で、実際は認知症なのか?徘徊しているのか?情報(名前や住所、服装など)がない場合、それを見極めるのは難しいのが現状ですが、認知症になっても安心して暮らせる町づくりを目指して、これからも活動していきます。※今年も山形屋ストアーにご協力を頂きました。厚く御礼申し上げます。
秋の大収穫祭
11月8日に霧島市日当山温泉公園で『ぼくらのマルシェ(秋の大収穫祭)』が開催され、新鮮野菜即売会・うまいもの屋台・出張足湯・フリーマーケット・ハンドメイド雑貨など、地元特産品や実りの秋にふさわしい多彩な出店で賑わいました。色気より食い気のゆうゆう軍団も散歩を兼ねて会場へと向かい、露店を見ながら行き着いた先は…当ホームの運営推進会議でお世話になっている中仮屋良一さん(新七自治会長)が担当する石焼イモでした(笑)。2個入り100円で購入したホッカホカの石焼イモを早速ベンチで舌鼓♪
ホーム最長老のハルヱさん(101歳)は、まだ食べ足りないのか? このあとも海苔巻きの餅をひとりでペロッとたいらげてご満悦。この後、ホームに帰ってから昼食も完食したハルヱさん…百歳おそるべし!!
一息ついて、会場に設置された臼と杵を横目に落ち着かないイベント好きの鉄之さんは、餅つきが始まると居ても立ってもいられなくなり、子供たちに混じって参戦!腰を痛めないか心配するスタッフを尻目にハッスルしました。
この日、当法人の託児所「くれよん」も散歩を兼ねて来場し、一緒に秋を満喫ながらイベントを通じて地域の皆さんと楽しいひとときを過ごしました。そして、帰りは案山子の皆さんに見送られ?記念写真を撮って会場をあとにしました。
【編集後記】
御嶽山の噴火で多くの登山者が犠牲になった。噴火の映像が3年前の新燃岳と重なり、当時の記憶が蘇える。東日本大震災以降、地震や津波、原発事故への防災意識は高まったが、噴火災害への備えはどうだろう?桜島の噴火に慣れた県民の意識を変えるのは容易ではないが、御嶽山を教訓に再認識したい。
NHK連続テレビ小説「マッサン」は、大正時代が背景のドラマ。入居者の皆さんが生まれ育った頃と重なり、当時の服装や髪型、町並みに懐かしさや郷愁を誘うのか?食い入るように見ています。日本文化に馴染もうと奮闘する外国人エリーの姿に一喜一憂した事を忘れ、昼の再放送でまた一喜一憂。忙しい毎日です(笑)